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2019年11月号(vol.131)

定食特集

マガジン概要

わいらの昼メシ


こめ【米】コメ

英:Rice

稲の果実であるもみから外皮を取り去った

粒状の穀物のこと。


 日本では昔から米は特別な存在であった。主食であり、おかずは副菜というように、米(ごはん)を中心にした食生活を送ってきた。現代では麺やパンなど、ごはんに代わる多くの選択肢がある。どんなものとも合うシンプルな味わいはメインとなるおかずの相棒だ。


ていしょく【定食】テイショク

英:Set meal

飲食店であらかじめ献立の決まっている

料理のこと。

 


 日本の飲食店には、「からあげ定食」のように主役となるおかずの名前に「定食」を冠したメニューを目にする。この定食とは、米を炊いた「ごはん」、みそ汁などの「汁物」、香の物ともいわれる「漬け物」に、肉や魚、野菜などによる「おかず」を基本とする、日本で日常的に食べられている定番の食事スタイル。昔から日本人の日常食として食べられているごはんは、どんなおかずにも合う特別な食材。ごはんを取り囲むように置かれた料理は、ごはんと一緒に食べておいしいように組み合わされている。定食の中心にこのごはんという存在があるからこそ、どんなおかずでも整う定食ができあがる。日本の日常に深く根ざしている定食は、健康的な栄養バランス、五感で食を楽しませる美的センス、食に対する高い精神性など、様々な特徴を持っている。多くの日本人に愛されている定食は、身体と心を同時に充足させる食事であるとともに、日本の食文化の変遷とも大きく関わっている。 世界で注目されている日本食の魅力がふんだんに詰まった定食は世界に誇るべき食のひとつだろう。

 そんな定食は昼に食べたくなる。コンビニの弁当やカップ麺でも十分だが、胃袋を幸せにし欲望を満たしてくれるのはごはん屋の定食だから。白く輝くごはんを片手に、大きくどっしりと構えたおかずに食らいつく。そこに優しい味の味噌汁が体中に染み渡り、午前の疲れを癒やしてくれる。箸を止めることなく無我夢中にくらいつく昼メシ。なんて幸せなんだ。

誰もこの時間を邪魔するなよ。

箸を止めることなく、ごはんも置かない。最後の一粒までしっかり食べる。

ごちそうさま。

明日の昼はどの定食を食べようか悩むところだ。


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